管理専門会社(PM)とは
客づけ一体管理会社が、管理面と賃貸付けの募集店をもつ形式ですが、管理専門会社は、賃貸付けの募集店を自社保有せず、管理を専門に行う会社です。
管理専門会社(PM)とは
管理専門会社は、プロパティマネジメントと呼ばれ、オーナーが所有している不動産から生まれる利益を最大化するように、運営を代行する会社となります。アメリカでは既に当たり前のように行われている方式で所有と経営が分かれていて、経営部分をプロの専門家に任せるという考え方になります。
では、日本ではこのような取り組みが遅れてきたかといえば、不動産業界がとても古く慣習に縛られているからです。TPPが日本に持ち込まれてくれば、不動産業界ももっと革新されると思いますが、いまだに不動産売買の世界では、買い手と売り手から両方手数料を同じ会社
が取得できる両手取引が認められているます。先進国で認められているのは日本くらいではないでしょうか。当然アメリカでは、買い手と売り手の両方を代行することは認められていませんし、利益相反の関係になるので、このような取引は認めていません。
そのため、管理専門会社が日本でももっと普及していくことは容易に想像できます。
1社の管理専門会社に複数物件を任せやすい
客づけ一体管理会社は、自社の募集店があるエリアに絞られてしまいますが、管理専門会社は、自社の募集店をもたないので、広いエリアの募集店に依頼できるので、対応エリアは広くなります。
入居者募集、建物管理、入居者管理をするためには、広げすぎることはできませんが、東京に店舗があれば、東京、神奈川、埼玉、千葉で1時間程度で行ける範囲は対応エリアになってきます。
オーナーからすると、物件ごとに管理会社を決めなくても1社の管理専門会社に任せることができるようになるので、管理会社とのやり取りの労力が限定されます。
オーナーの利益を最大化する上でも物件単位に分かれていると煩雑なりますが、すべての物件を任せることができれば、運営方針も楽に立てられます。
まだ少ないですが、オーナーの利益の最大化を目的としているため、物件の入替などを含めたトータルでの収益最大化の提案もできる管理専門会社もあります。
賃貸仲介専業会社も増えている
いままでは、賃貸仲介の市場は、客づけ一体管理会社の独壇場でしたが、最近になって都心部中心ではありますが、賃貸仲介専業会社が増えています。賃貸仲介専業会社、管理を行わず、賃貸募集に特化した会社となります。
管理会社の専門化(PM)と同じくして、賃貸仲介専業会社が増えてきているのは、空室が増えて大競争時代に入ったからとも言えます。簡単に客づけ一体管理会社で決まらない時代となったため、仲介手数料以外に広告手数料が取れるようになりました。早く決めたければ、広告手数料を2ヶ月、3か月出すように変わったために、賃貸専業会社が、利益を上げられるようになったからです。
アメリカのように、買い手と売り手の保護の観点から、管理専門会社(PM)と賃貸仲介専業会社が増えてきたというよりは、大競争時代に適合したプロの戦いへと変遷してきているのが実態です。
今後は、管理専門会社によるオーナーの利益を追及する会社と入居者の利益を最大化しながら利益を追求する賃貸仲介専業会社が主流を占める方向へとは進むと思います。
ただ、都心部以外では、賃貸仲介の件数が伸びないために、東京以外のエリアで賃貸仲介を専業で行える会社がどこまで増えていけるのかは未知数のところはあります。
まとめ
管理専門会社(PM)は、古くからはあるのですが、最近注目されており、賃貸経営のプロである管理専門会社が今後の主流になる可能性のある管理形態です。
無料メルマガ登録:大家の味方
管理専門会社(PM)とは 関連ページ
- 賃貸管理会社選びの失敗はオーナーの努力不足
- 管理会社の仕組みは大半が古い
- 賃貸管理会社の理解:募集(退去を引き留める)
- 賃貸管理会社の理解:募集(募集条件の設定)
- 賃貸管理会社の理解:募集(写真が命)
- 賃貸管理会社の理解:募集(リーシング)
- 賃貸管理会社の理解:建物管理@
- 賃貸管理会社の理解:建物管理A
- 賃貸管理会社の理解:建物管理B
- 賃貸管理会社の理解:入居者対応業務
- 賃貸管理会社の理解:滞納補償・サブリース
- 保証会社の理解:家賃保証について
- 保証会社の理解:全保連
- 保証会社の理解:デメリットもある
- 自主管理は職人、管理委託は経営者発想である
- 客付け一体管理会社の行動原理を理解する
- 客づけ一体管理会社の本質的な問題
- 管理専門会社(PM)は募集窓口が広い
- 管理専門会社(PM)は多くが未熟である
- 選定方法:候補をピックアップする
- 選定方法:賃貸仲介件数・稼働率の確認
- 選定方法:募集提案力があるかどうか
- 選定方法:リフォームは提案力+コスト
- 選定方法:管理会社変更を恐れるな
- 管理の委託方法