選定方法:リフォームは提案力+コスト
賃貸管理会社に管理委託をしていると、リフォームが必ず発生します。このリフォームについては、リフォーム提案力+リフォームコストを確認してください。建物管理費と管理料を除くとランニング費用で最も掛かってくるのが、リフォームコストです。
賃貸管理会社の中には、管理料は安いが、リフォームコストが高い会社も多くありますのでよく確認しましょう。
入居者へアピールできるリフォーム(現状回復+α)とは
入居者を決めるためには、いままでのような原状回復していれば良いということはもはや通用しなくなっています。同じ間取り同じ家賃であれば、少しでもおしゃれであったり、付加価値があった方が決めやすくなります。
特に案内した入居希望者にいいねと言われても契約に結び付かないといけません。かっこいいだけでなく、住みやすいということが何もよりも重視されます。
また最近は、匂いにも敏感な人が増えており、犬などのペットを飼った後の部屋では、特殊清掃をした方がいいケースがあります。
つまり入居者へアピールするリフォームを行えることが重要であり、この提案ができる賃貸管理会社かを把握します。
簡単に確認すると、自分の保有する物件の同じ間取りであれば、どのようなリフォーム提案をしますか?と聞いてください。
例ですが、
・最近の若い人は、明るい色が好きで、クロスに黄色を使ったり、ユニットバスに黄色のアクセントパネルを使うと反響がいい。そして、クロスは壁一面で3万円、アクセントパネル3万円で合計6万円の投資をオーナーにしてもらって契約を決めている
・濃い昔ながらのフローリングは、人気がなく、CFだと差別化できないので、明るいフロアータイルにしてよく決まるようになった。CFは3万円で、フロアータイルだと5万円くらいのため、差額2万円が新規の投資となりますが、よく決まりますよ。
のような形で、自分の部屋をどのようにリフォームしたら、決まる部屋にできるかを具体的に金額を合わせて教えてくれるかを確認してください。
資産価値向上の提案は限定的に聞く
本来は、資産価値向上のための提案は必要ですが、管理会社変更や新規に管理会社を選ぶときには、限定的に聞くようにしましょう。
今の間取りでは、まったく決まらない場合は、確認する必要がありますが、既存の間取りで決まっている場合は、特に確認しなくても良いでしょう。
理由としては、リフォーム後の家賃増額分に対する投資が適切かを高度に判断する必要があるため、管理会社を選ぶ段階で、検討していると、混乱を招くからです。また、管理会社のリフォームは、リフォーム会社の見積もりよりは2割〜3割程度は高いので、資産価値向上は、別途検討はした方がいいでしょう。
既存の空室が現在の間取りで決まらない物件は、リフォームコストとリフォーム後の家賃について提案を受けましょう。
【投資目安】
・空室が1年以上:リフォーム後の家賃*24カ月で投資が回収できる範囲
例):リフォーム後家賃6万*24カ月=144万
・空室が1年未満:(リフォーム後の家賃-リフォーム前の家賃)*12か月*5〜10倍程度
例):(リフォーム後家賃6万-リフォーム前の家賃5万)*12か月=60万〜120万
※利回り10%:10倍、利回り20%:5倍
リフォームコスト
提案力も大事ですが、より重要なのはリフォームコストです。賃貸管理会社は、リフォーム業者を下請けで工事依頼しますので、どうしても割高になります。
提案を受けるときに、原状回復の単価を聞いておき、リフォーム費用が安く収まる会社かは確認しておきましょう。
【単価目安】
・量産クロス
東京・名古屋:850円〜1000円/u
大阪:650円〜850円/u
・エアコン
1R用:季節変動がありますが、7万〜8万程度
・CF:2700円〜3500円/u
・フロアータイル:4000円〜4700円/u
あくまでも目安ですが、上限よりオーバーしている会社を選択すると、全般的に高いリフォームコストが掛かってきます。
当方は、管理会社にリフォームを依頼しない形にしており、上記下限より安くできていますが、通常は賃貸管理会社へ依頼すると上記範囲内が標準でしょう。
まとめ
賃貸経営していると空室に次に悩ましいのが、リフォームコストです。ここをコントロールできれば、利益の上がる運営ができます。リフォームコストが抑えられる賃貸管理会社かを把握しておきましょう。
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