選定方法:候補をピックアップする
賃貸管理会社を具体的にどのように選んでいけばいいかを説明します。
新規で物件を取得して管理会社を選定する場合や、現在空室で困っている、リフォーム費用が高いなどの時に、賃貸管理会社を適切に選んでいくことが重要となります。
保有物件に近い場所に存在するか
賃貸管理会社を選ぶ際には、なるべく自分の物件のあるエリアの会社にした方がいいでしょう。管理専門会社(PM)であれば、東京から大阪などを管理することは可能ではありますが、東京で大阪をうまく管理できる会社を見つけるのは至難の業です。
東京の賃貸専門会社(PM)の中では、ファンド等で蓄積したスキルがあり、物件の入替や募集店とのネットワークがあり、十分に管理ができる会社もありますが、最初から見つけるのは困難でしょう。
したがって、まずは、自分の保有する物件のエリアの中で賃貸管理会社を選定していくことになります。エリアに会社があるということは、きめ細かく対応が可能だからです。
なるべく大手をピックアップすること
地元の商工会の付き合いや幼馴染が不動産会社をしているからという理由で、管理を任せているケースがありますが、賃貸経営をビジネスですから、しがらみに囚われていては利益が出ません。
地場の小さい会社がダメとまではいいませんが、なるべく大手をピックアップしましょう。
入居者対応業務に1人雇用していると、その1人で最低500戸程度は管理しないとなかなか費用対効果がでないのが、管理会社の収支構造となります。
1人の社員がいれば500戸、2人いれば1000戸というレベルの管理工数は必要になります。また、清掃や点検業務に関してもスケールメリットで安くなることもあり、小さい会社は、総じてコストが高い傾向があります。
老夫婦で不動産会社を経営しているような昔ながらあの小さい会社になりますと、インターネットがうまく使いこなせません。今や募集業務はインタネットでの反響が7割程度を占めているので、インターネットが活用できないような会社に任せるとうまくいかないことは目に見えています。
客づけ一体管理会社であれば、エイブル、ミニミニ、アパマン、ホームメイト、ハウスメイトなどの全国的に大手の業者、九州で大手の駅前不動産、大阪では賃貸住宅サービスなど地域で強い会社を選定すると良いでしょう。
管理専門会社(PM)はたくさんありますが、まだ全国的に有名というレベルに達している会社はありません。地域で強い会社としてはいくつかあります。
まずはこのような形で、任せる候補をピックアップすることから始めます。
学生物件は特殊
学生がターゲットである物件は、特殊です。大手ではないところが強いケースがあります。その場合は、大学の生協に出入りしている業者はピックアップし、どこが学生の募集について強いかを確認する必要があります。
学生の場合は、入学説明会等で配られる資料に載っている不動産会社で決めることが多いのは、学生は初めての1人暮らしで不安の中決めないといけないので、学校が推薦するところは安心できるからです。これは、学生の両親も同じ考えになります。
このように、学生物件の場合は、学生に強い会社を選ばないと、まったく埋まらないという現象が起きます。大手の客づけ一体管理会社でも決められないことがあります。
学生の場合は、客づけ一体管理会社か管理専門会社(PM)かを考える必要はなく、とにかく、生協に出入りしていて、学生に客づけに強い会社を探さないといけません。
まとめ
賃貸管理会社を選定するにあたっては、自分の保有する物件のエリカでかつ、客づけ一体管理会社と賃貸専門会社(PM)の大手をできるだけピックアップしましょう。学生物件は特殊ですので、学生に強い会社を生協や地元ヒアリングで確認する必要があります。
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