不動産投資の税前キャッシュフローについて

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資金計画:税前キャッシュフロー

不動産投資の投資計画をキャッシュフローベースで考えていきます。キャッシュフローとは、「入ってくるお金」と「出ていくお金」の流れのことです。不動産投資においてキャッシュフローの元となるのは毎月の家賃収入です。

 

そこから様々なランニング費用を支払います。売上となる家賃収入があり、経費となる様々な費用を差し引いて残りが利益となります。今回はこの入ってくるお金と出ていくお金の流れである「キャッシュフロー」をベースにした投資計画について解説したいと思います。

 

 

不動産投資物件の想定
まずは不動産投資をシミュレーションするにあたって、基本となる想定物件を決めていきます。今回はキャッシュフローが出やすい中古の1棟マンションでシミュレーションしていきます。

 

なぜキャッシュフローが出やすいのかというと、木造よりも鉄筋コンクリート造のほうが、銀行での積算評価が高く、法定耐用年数が長いため、銀行融資をより多く、より長く利用することができるからです。

 

【具体的な条件】
鉄筋コンクリート造マンション、築年数17年、価格1億2000万円、表面利回りを10%とします。購入時には諸費用を自己資金で支払い、その他の物件価格に対しフルローンとし、1億2000万円を借入、返済金利2%、融資機関は30年とします。

 

 

キャッシュフローの基本は、「家賃収入?経費−返済額
売上としての家賃収入は毎月100万円となりますが、こちらは満室時になります。通常は空室想定費を計上することが望ましいのですが、今回は省きます。

 

次に、毎月の家賃収入から毎月のローンの返済をします。先程の条件で、1億2000万円を金利2%で30年元利均等返済とすると、毎月の支払いは約44万円になります。返済額には、当然ながら、金利分と元金部分が入っており、毎月キャッシュアウト(支出)するものとなります。

 

そうなると、
ここでの毎月の差引キャッシュフローは56万円(家賃収入100万−返済額44万)となります。

 

 

@毎月のランニング費用の想定
毎月のランニング費用としては、管理費、点検・清掃費などがあります。管理は賃貸管理委託費として、家賃収入の5%程度、約5万円とします。点検・清掃費としては、毎月2万円程度想定します。
合計で管理費、点検・清掃費として毎月約7万円(家賃収入の7%程度)を計上します。

 

毎月の管理費、点検・清掃費を差し引くと49万円(家賃収入100万−返済額44万−点検・清掃費7万)となります。

 

 

A入退去でかかる費用
修繕費は何事もなければ全くかかりませんが、入退去が多い時や外壁修繕など大規模な工事をすると大きく修繕費用がかかります。そのため、毎月の費用として想定することは難しくなりますが、家賃収入の7%程度、約7万円を見積っておきます。

 

毎月の見積り修繕費を差し引くと42万円(家賃収入100万−返済額44万−点検・清掃費7万−修繕費7万)となります。

 

広告費用に関しても修繕費用と同じく、入退去が多く賃貸募集、賃貸契約が多ければその分の広告費の支払いが多くなります。年間を通して全く入居者の動きがなければ広告費の支払いは発生しませんが、今回はシミュレーションということで、家賃収入の6%程度を費用とし、約6万円を計上します。

 

広告費を差し引くと毎月のキャッシュフローは36万円(家賃収入100万−返済額44万−点検・清掃費7万−修繕費7万−広告費6万)となります。

 

ここまでの年間キャッシュフローは432万円(36万×12か月)のプラス状態となります。

 

 

B固都税と火災保険料は経費
また年間の費用として固都税があります。固都税は物件価格1億2000万円に対して1%程度とし、120万円を想定し計上します。基本的には固定資産税評価額である課税標準の1.7%ですが、シミュレーションでは課税標準が分からないため、便宜上として物件価格の1%を固都税とします。

 

ここまでで年間のキャッシュフローは固都税を差し引くと312万円となります。

 

さらに火災保険料の年間支払いを20万円程度見積ると、差引292万円のキャッシュフロー(432万−固都税120万−火災保険20万)となります。

 

 

「空室リスク」と「家賃下落リスク」は必ず考慮
上記の計算で、年間のキャッシュフローは292万円のプラスになっていますが、これには「空室リスク」一切考慮していません。そのため、空室がどの程度発生するかによって、キャッシュフローはさらに悪くなる可能性があります。

 

また、築年数が古くなってくると家賃を下げないと入居が決まりづらくなるという「家賃下落リスク」も検討する必要があるでしょう。

 

ここで、空室期間が10%とすると年間のキャッシュフローが120万円のマイナス、また家賃の下落が10%とすると、さらに年間120万円のマイナスとなり、合計で240万円のキャッシュフローがマイナスとなってしまいます。

 

最終的には292万円から空室リスクと家賃下落リスクの240万円を差し引いても52万円プラスのキャッシュフローとなりますので、この不動産投資のキャッシュフローは安全だと考えられます。

 

空室リスクと、家賃下落リスクを考慮して投資計画を立てた場合に、年間のキャッシュフローがマイナスになるようであれば、その不動産投資は再度検討し直すべきと言えるでしょう。

 

まとめ
・税前キャッシュフローは、月々、入るお金と出ていくお金を意識すれば難しくない
・賃貸経営には、返済額以外の様々な経費がかかり、思った以上にキャッシュは残らない

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