不動産投資では、現金がないと高速でのセミリタイア・リタイヤは難しい

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不動産投資で資金がないと高速リタイアは難しい

不動産投資でリタイアしたいというのは、多くの不動産投資家が考える夢です。しかし、リタイアを実現する、できるのは、ほんの一握りしかいません。それだけ達成することが、難しいものなのです。

 

リタイアの目標としては、きりの良い月100万円!というのが、定説になっています。月100万円の定義は人それぞれで、家賃収入100万円で良い人、税引前キャッシュフロー100万円、税引き後キャッシュフロー100万円などいろいろです。

 

私自身が目指した際には、税引き後キャッシュフローですが、税率が個人・法人とも人によってそれぞれなので、税引前キャッシュフローをベースに月100万円を実現する場合を検討してみましょう。税引前で100万円程度あれば、税金が40%かかっても60万円程度あるので、家族を養っていくのには、ひとまず十分な水準でしょう。

 

税引前キャッシュフロー100万円の世界
税引前キャッシュフローを100万円を実現するための構造を把握していきましょう。比較的良い物件を取得できた場合の収支構造です。まずは、税引前キャッシュフロー100万円の前に、家賃収入が100万円だった場合に、どのくらいの構造になるのか確認しましょう。

 

【@キャッシュフロー収支(良い物件ケース)の収支構造例】

家賃収入/月 100万円
経費/月 20万円
返済額/月 50万円
税引前キャッシュフロー/月 30万円

 

管理費や修繕費、広告費等の運営経費は20%で20万円、返済額は50万円程度とすると、税引前のキャッシュフローとしては、30万円程度にしかなりません。つまり、税引前キャッシュフロー100万円を達成するためには、上記表の3倍以上の規模にならないと達成できません。

 

 

【Aキャッシュフロー100万円】
税引前キャッシュフローが100万円になるためには上記収支構造を100万円÷30万円=3.3倍をすれば算出できます。

 

税引前キャッシュフローの例です

  収支構造例 税引前キャッシュフロー100万
家賃収入/月 100万 333万
経費/月 20万 66万
返済額/月 50万 165万
税引前キャッシュフロー/月 30万 100万

 

税引前キャッシュフロー100万円を達成しようとすると、家賃収入/月333万円となります。物件価格をどれくらいを購入すると家賃収入/月333万円を達成すればよいかは、利回りになります。

 

収益物件の利回りを10%とすると、物件価格=(月333万×12か月)÷10%≒4億円となります。

 

つまり4億円程度の物件で利回り10%の物件でないと実現できません。数千万の物件でも大きいのに、4億円の物件を買うのは想像がつかないでしょう。4億円を1棟だけで達成するのではなく、複数棟で達成しても問題はありませんが。

 

4億円の物件を買うのが、どれほど大変でしょうか。最低でも諸費用がないと物件が買えません。諸費用は7%程度かかります。そうすると、現金だけで4億円の7%で2800万が必要になります。これだけのお金を瞬時に用意できる方はどれくらいいますでしょうか。

 

したがって、短期間でリタイアすることは、とても難しいことなのです。諸費用に3000万円近く払える人は、相当の高年収の方でしょう。年収1000万円超ある人は、全世帯の7%しかいません。年収1000万円の方でも金融資産3000万円ある人は少ないです。そうなると、年収で1500万円や2000万円超の方くらいでしょう。

 

ただ、年収で1500万円や2000万円稼いでいた人が、税引前で100万円程度では生活が成り立たないでしょう。せめて倍の税引前200万円程度にならないと、同じ水準で暮らしていくのは難しいでしょう。そうすると、4億円の倍、8億円程度の物件を購入することになります。

 

このように考えていくと、税引前キャッシュフローで100万円を稼ぐことの難しさがわかります。そして、現在の年収水準や生活水準を維持しないとなかなかリタイアできないため、ある程度のキャッシュフローの水準まで達成しても、リタイアしない人が多いのも理解できるでしょう。

 

 

時間をかければ達成できる
短期間にリタイアすることは、難しくても、時間をかければ、リタイアも可能になってきます。1棟購入し、また2年後に1棟、また2年後に1棟、という方法で10年くらい時間をかければ、もっと低い年収、金融資産でもリタイアは可能になります。

 

例えば、金融資産が700万円しかない場合は、諸費用が7%掛かりますので、1億円の物件が購入できるマックスです。
価格1億、利回り10%、諸費用700万円、税引前キャッシュフロー200万円/年の物件を買っていくと、10年後に達成できることになります。細かいシミュレーションの内容は、今わからなくても問題ありません。時間をかければ、達成できるというイメージがわかればいいのです。

 

【シミュレーションイメージ】
・1年後:1棟目購入     現金700万円-諸費用700万円+税引前キャッシュフロー200万円=200万円
・2年後:                    現金200万円+税引前キャッシュフロー200万円=400万円
・3年後:                    現金400万円+税引前キャッシュフロー200万円=600万円
・4年後:                    現金600万円+税引前キャッシュフロー200万円=800万円
・5年後:2棟目購入    現金800万円−諸費用700万円+税引前キャッシュフロー400万円=500万円
・6年後:      現金500万円+税引前キャッシュフロー400万円=900万円
・7年後:3棟目購入    現金900万円−諸費用700万円+税引前キャッシュフロー600万円=800万円
・8年後:4棟目購入    現金800万円−諸費用700万円+税引前キャッシュフロー800万円=900万円
・9年後:5棟目購入    現金900万円−諸費用700万円+税引前キャッシュフロー1000万円=1200万円
・10年後:6棟目購入  現金1200万円−諸費用700万円+税引前キャッシュフロー1200万円(月100万円)

 

いわば、金融商品でいう複利の計算のようなイメージです。1棟購入していけば、収入が増え、その収入と金融資産があれば、どんどん後半は加速して物件を増やしていくことができます。

 

まとめ
・不動産投資で高速でリタイアのような幻想を抱かないこと
・月100万円の税引きキャッシュフローを達成するには、時間を味方につけること

 

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