不動産投資家・大家は、減価償却を簡単に理解しておく

大家の味方:不動産投資・空室対策・リフォーム・火災保険・法人保険・バイク駐車場・トランクルーム・節税

現物不動産投資の場合だと、不動産という現物を所有することになるので、「減価償却」を行うことができます。減価償却という言葉がとても難しい言葉に思えますが、不動産投資の世界だと常識的な用語ですので、その意味をしっかりと理解しておく必要があります。

 

建物の減価償却とは
建物が減価償却できる、つまり経費化できるという話をすると、どうして建物が経費化できるのかわからないと言われます。建物は、丈夫なものは、確かに200年300年と維持しているものもあります。そのため、建物の価値が落ちていくというイメージが持てないかもしれませんが、自宅をイメージしてください。

 

自宅で築年数が30年以上経過したものは、なかなか、住みにくくなります。そろそろ、建替えをするかというタイミングになってくると思います。つまり、新築当時より明らかに価値が落ちているということです。このことを建物の価値が減価していくといいます。反対に、土地は長い年月経っても土地は土地であり、減価しないので、減価償却資産にはなりません。

 

そして、減価するようなものにつては、その価値減少分を経費に認めましょうというのが、償却という考え方です。もちろん、自己利用ではだめで、事業用資産として使われるものです。

 

したがって、事業などの業務のために用いられる建物、建物附属設備、機械装置などの資産は、一般的には時の経過等によってその価値が減っていきます。このような資産を減価償却資産といい、使用期間に応じて経費化できるものです。

 

 

なぜ使用期間に応じて経費化するのか
まずは一括で経費にすることがおかしいことを理解しましょう。

 

例えばですが、5千万(利回り10%)のアパートを建築したとしましょう。5千万を投資したのだからその年に5千万を経費にすると、当然ながら大赤字になります。来年は、経費がなく利益だけがでてきてしまいます。

 

そうなると、投資初年度は大赤字、2年目は利益がでるとなると、この投資が決算書に与える影響が大きく、経営者にとっても、税務当局にとっても、大変な問題となります。経営者からすると初年度に大赤字になるので経営としても問題があるように見えますし、税務当局からするといきなり税金が取れなくなるわけです。

 

このようなことを認めると、特に上場企業であれば決算書が大きく振れてしまうので評価が安定しにくいこと、また税金面では、いきなり投資初年度に大赤字になり税金を払わなくなると、税収入の面で不安定になってしまうことを避けるため、原則としては、経費化を一括では認めない方向になっているのです。

 

それでは、詳しく不動産投資・賃貸経営の減価償却の考え方について解説します。
 
建物費用を期間で按分していく

 投資用のアパート・マンションは10年、20年、30年と長く使うものであり、1年かぎりの消耗品ではない。そのため、使う年数に応じて少しずつ費用にすべきだと考えるのが、ごく当たり前の考え方になります。建物構造で頑丈なものは長く、頑丈でない建物は短い使用期間になり、その期間で費用にすることになります。

 

使用期間で1年毎の費用を算出し、決算書に減価償却費という経費を計上できるようになります。減価償却とは買ったときに一度に費用にしないで、毎年少しずつ費用に分けます。

 

例えば、5千万のアパートの建築費は、22年で少しずつ計上していきます。1年ですと約227万円が経費にできるということです。

 

 

決算書上の建物価値をわかりやすくする

もし、1年ですべてを経費化すると、翌年建物は残っているのにも関わらず、建物価値がゼロになるというおかしなことになります。そこで、使用期間から毎年少しずつ経費化することで、翌年の建物の価値を合理的に算出することができます。

 

先ほどの例ですが、5000万のアパートが翌年になるとどの程度の価値かというと、

 

5000万―1年分の減価償却費227万=4773万

 

というように、1年後の建物価値を合理的に決算書に反映できるという利点もあります。当然ながら、銀行は、1年で価値がゼロになるような建物に融資をすることはできません。そうなりますと、1年で回収しないと怖いですよね。

 

そのため、銀行融資の側面からも建物の価値が、少しずつ落ちていくようにしないと、銀行融資そのものが成り立たないということになります。

 

キャッシュの回収

本当は、キャッシュの回収面でいえば、初年度にすべてを経費化しますと、初年度から何年かは初年度赤字の繰り越しのおかげで、税金を払わなくて良い状態になります。これは投資家からすると、とても良いのですが、さすがに税務当局が認めません。

 

そこで、毎年少しずつ経費化することで、投資したキャッシュを回収していくことになります。建物を建築した際に、お金は払っているので、翌年以降は、現金の支出は伴わない費用を計上しているということになります。このことを節税と呼ぶ方もいますが、初年度にお金は払っているので、長い期間かけてキャッシュを回収しているという方が正しい考え方です。

 

とはいえ、不動産投資は、利益が出やすく納税負担の大きいビジネスため、毎期こうした建物の減価償却ができることは、安定経営をする意味でとても大きな意味と価値をもっています。

つまり、毎年「利益+減価償却費」の分だけキャッシュが回収されていることになります。投資額に見合う効果が得られているかは、利益+減価償却費の合計で計算すると良いでしょう。

 

 

減価償却資産はたくさんある

不動産投資・賃貸経営の減価償却は、建物がほとんどですが、それ以外にもたくさんあります。営業廻りや物件視察で使う車であったり、建物の価値を上昇させるような大規模改修費用(外壁塗装等)は、減価償却資産と呼ばれるものになります。

 

減価償却資産を使いこなすことが、最終的にはキャッシュを手元に回収する上でとても重要ですので、減価償却資産を理解していくことが重要となります。

 

まとめ

・不動産投資・賃貸経営の売上の源泉である建物取得費は、毎年経費化できる

・減価償却は、使用期間(法定耐用年数)に応じて経費化すること

・使用期間に応じて経費化できるからこそ銀行融資が可能であり、決算書が安定する

・減価償却は、投資額のキャッシュ回収であること

・減価償却できる資産はたくさんあるため、キャッシュ回収のタイミングの検討にあわせて活用すること

無料メルマガ登録:大家の味方

メルマガ登録ページへ

減価償却とは 関連ページ

不動産屋・不動産コンサルタントにお願いする前に
物件を紹介するコンサルタントに依存しすぎない
不動産投資とは
不動産投資・賃貸経営のメリット
不動産投資・賃貸経営のデメリット
不動産投資は資本を使って利益を上げるトレーニング
賃貸経営の仕組み
不動産投資・賃貸経営の目的
不動産投資・賃貸経営のリスク
不動産投資のリスクをどのようにコントロールするか
不動産投資のレバレッジとは
購入できる収益不動産の額は金融資産次第
賃貸経営を拡大する時は金融資産を減らさない(CCRが重要)
不動産投資のキャッシュフローとは
投資分析:キャッシュフロー
返済比率で借入の安全度を理解する
不動産投資で資金がないと高速リタイアは難しい
不動産投資の種類を理解する
建物の構造を理解する
表面利回り・実質利回りの違いを理解せよ!
物件探しには実質利回りを簡便に使え
銀行の融資期間は建物の耐用年数次第
用語:不動産投資で良く出てくるROIとは
用語:DSCR(借入償還余裕率)
用語:投資指標のIRRとは
収益物件の探し方:物件情報はどこから収集するか
収益物件の探し方:購入する基準を決める
収益物件の探し方:資金力×購入意思×スピード
収益不動産の探し方:不動産会社は両手取引が大好き
収益不動産の探し方:競売は中〜上級者向き
収益不動産の探し方:任意売却はお宝物件
物件資料の読み方:物件概要について
物件資料の読み方:物件概要を高速で取捨選択する
物件資料の読み方:レントロールを机上で評価する
物件資料の読み方:登記簿謄本の本質を理解する
物件資料の読み方:登記簿謄本を理解する
物件資料の確認:不動産会社へのヒアリング
物件の評価:積算評価・収益評価
現地調査:建物調査・周辺調査
買付申込書
価格交渉
買付から契約・決済までの流れ
契約:売買契約書のポイント
融資が否決されたの際の手続き
資金計画:取得時に必要な資金
資金計画:ランニング費用
資金計画:税前キャッシュフロー
資金計画:利益ベース
資金計画:アパートローンの返済方式について
資金計画:金利・融資期間による返済額
融資:信用情報の確認
融資:銀行にもっていく資料は事前に準備しておく
融資:銀行の担当者から聞かれること
融資:金融機関の種類
融資:日本政策金融公庫の特徴
融資:スルガ銀行の特徴
融資:三井住友銀行の特徴
融資:みずほ銀行の特徴
融資:りそな銀行の特徴
融資:商工中金の特徴
融資:静岡銀行の特徴
信用保証協会とは
不動産投資で信用保証協会をどう使うか
制度融資を使うと効果的
信用保証協会:責任共有制度
信用保証協会:保証料
信用保証協会:審査のポイント