不動産投資における信用保証協会の使い方について

大家の味方:不動産投資・空室対策・リフォーム・火災保険・法人保険・バイク駐車場・トランクルーム・節税

不動産投資で信用保証協会をどう使うか

信用保証協会を利用すると、金融機関から融資が受けやすくなります。そしてこれをうまく不動産投資に利用することができれば、効率的に物件を増やすことも可能です。そこで今回は、信用保証協会を不動産投資に活かすためのポイントについて解説したいと思います。

 

信用保証協会を不動産投資に活用する意義とは
不動産投資のメリットといえば、やはり金融機関からの融資を活用することによる「レバレッジ効果」です。これによって、少ない財源で多くの利益を出すことができるのが、不動産投資の醍醐味でしょう。

 

つまり、当然金融機関の融資はとても重要ですが、不動産投資を始めて間も無い頃は、金融機関からの信用もあまり無いため、なかなか融資を引くことが難しいのが実情です。そこで、信用保証協会を利用して保証人になってもらえば、まだそこまで金融機関からの信用がなくても融資を引きやすくなるのです。

 

信用保証協会を不動産投資に活用する際のポイント
保証付き融資を利用すると融資を受けやすくはなりますが、中小企業の場合はあまり多くを借り入れることはできません。特に設備資金以外の場合は、概ね月商の3倍程度が限度と考えておきましょう。

 

不動産投資の場合は、設備資金扱いですが、物件の担保評価についてはシビアですので、フルローンで借り入れることは難しく、金額については少額になる可能性があります。また、返済期間も長期は難しく最大でも15年程度、通常は10年以内になることが多いようです。

 

そのため、保証付き融資はキャッシュフロー投資には不向きであり、使うとすればある程度高利回りの物件を購入する際に検討すると良いでしょう。

 

サラリーマン投資家でも利用できるのか
では、最近増えつつある「サラリーマン投資家」でも保証付き融資は利用できるのでしょうか。結論から言うと、不動産投資が副業という扱いですと、信用保証協会の審査が通りにくく、融資を引くのは非常に難しいのが実情です。

 

もしもサラリーマン投資家で保証付き融資を活用するのであれば、サラリーマンよりも不動産投資の方が本業と言えるような賃貸経営ができている必要があります。

 

つまり、

 

 本業給与<不動産収入

 

の関係になります。

 

まずは、賃貸経営による収入を十分に増やして実績を作った上でなら、本人がサラリーマンだったとしても、保証付き融資を使える可能性はあるでしょう。ただ、その判断については、保証協会によっても異なりますので注意が必要です。

 

信用保証協会の審査について
信用保証協会は、申し込み受付後、不動産投資家と面談することもあります。自宅などに担当者が訪問して、本人の返済能力や今後の見通し、計画性などを独自に審査、調査します。

 

私の場合も、自宅に担当者が訪問し、通帳はすべて原本で確認され、経営の実態を細かく確認されました。このため、金融資産を無理にかさ上げするなどを絶対に行わないでください。

 

信用保証協会の効果的な活用法
信用保証協会を活用した融資は、融資年数が短いことや審査も細かく厳格であるため、主な活用方法としては下記となります。

 

@既存の取引先銀行を使う
既存の取引銀行の枠が一杯になっているときでも、信用保証協会付きであれば融資がしやすくなります。特に、他の金融機関から融資を断られているようなケースでは、既存取引をしている銀行で申し込んだ方が、可能性が高いでしょう。

 

また、これから不動産投資を始めるという場合も、取引のある銀行経由で申し込むことをお勧めします。

 

A新規取引先を増やすツールとして使う
既存の取引先金融機関を経由した方が融資は通りやすいのですが、そこをあえて他の金融機関で申し込むことで、新規取引先を増やすことも可能です。

 

特に有効なのが、通常のローンではなかなか審査がおりない都市銀行系(みずほ、三井住友、三菱東京UFJ、りそななど)です。これら都市銀行でも、信用保証協会を活用すれば融資を受けられる可能性が高くなります。

 

もしも、たとえ少額でもこれらの都市銀行から融資を受けることができれば、それによって取引が始まり、そして信用と実績を作っていく足がかりとすることができるのです。

 

都市銀行系で信用保証協会を使う場合の注意点
都市銀行系の場合、信用保証協会や制度付きの融資を担当しているのは、いわゆるビジネスローンセンターのような専門の部署です。このビジネスローンの担当部署が窓口のままでは、扱う金額が少なく、今後の取引拡大にあまりメリットがありません。

 

そこで、ビジネスローンの専門部署から法人営業専門部署に移管できるような取引を行っていくことが重要です。例えば「プロパー取引」や「金利デリバティブ取引」などを徐々に織り交ぜていくことで、法人営業部署との取引が生まれ、そこから信用を築き上げていくことができるでしょう。

 

まとめ
・信用保証協会を活用する一番の目的とは、保証付き融資を受けること自体ではない
・融資が通りやすい保証付き融資を活用して金融機関相手に実績がプロパー融資につながるから
・信用保証協会を利用することはゴールではない

無料メルマガ登録:大家の味方

メルマガ登録ページへ

不動産投資で信用保証協会をどう使うか 関連ページ

不動産屋・不動産コンサルタントにお願いする前に
物件を紹介するコンサルタントに依存しすぎない
不動産投資とは
不動産投資・賃貸経営のメリット
不動産投資・賃貸経営のデメリット
不動産投資は資本を使って利益を上げるトレーニング
賃貸経営の仕組み
不動産投資・賃貸経営の目的
不動産投資・賃貸経営のリスク
不動産投資のリスクをどのようにコントロールするか
不動産投資のレバレッジとは
購入できる収益不動産の額は金融資産次第
賃貸経営を拡大する時は金融資産を減らさない(CCRが重要)
不動産投資のキャッシュフローとは
投資分析:キャッシュフロー
返済比率で借入の安全度を理解する
不動産投資で資金がないと高速リタイアは難しい
不動産投資の種類を理解する
建物の構造を理解する
表面利回り・実質利回りの違いを理解せよ!
物件探しには実質利回りを簡便に使え
減価償却とは
銀行の融資期間は建物の耐用年数次第
用語:不動産投資で良く出てくるROIとは
用語:DSCR(借入償還余裕率)
用語:投資指標のIRRとは
収益物件の探し方:物件情報はどこから収集するか
収益物件の探し方:購入する基準を決める
収益物件の探し方:資金力×購入意思×スピード
収益不動産の探し方:不動産会社は両手取引が大好き
収益不動産の探し方:競売は中〜上級者向き
収益不動産の探し方:任意売却はお宝物件
物件資料の読み方:物件概要について
物件資料の読み方:物件概要を高速で取捨選択する
物件資料の読み方:レントロールを机上で評価する
物件資料の読み方:登記簿謄本の本質を理解する
物件資料の読み方:登記簿謄本を理解する
物件資料の確認:不動産会社へのヒアリング
物件の評価:積算評価・収益評価
現地調査:建物調査・周辺調査
買付申込書
価格交渉
買付から契約・決済までの流れ
契約:売買契約書のポイント
融資が否決されたの際の手続き
資金計画:取得時に必要な資金
資金計画:ランニング費用
資金計画:税前キャッシュフロー
資金計画:利益ベース
資金計画:アパートローンの返済方式について
資金計画:金利・融資期間による返済額
融資:信用情報の確認
融資:銀行にもっていく資料は事前に準備しておく
融資:銀行の担当者から聞かれること
融資:金融機関の種類
信用保証協会とは
制度融資を使うと効果的
信用保証協会:責任共有制度
信用保証協会:保証料
信用保証協会:審査のポイント