店舗、商業ビルは企業総合保険について

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雑居ビル・店舗ビル・商業ビルは企業総合保険

不動産投資・賃貸経営の中には、住宅が含まれていないビルがあります。雑居ビルや店舗ビル、商業ビルと呼ばれる不動産です。人が住むための不動産ではなく、不特定多数の人が利用する不動産となり、住宅系の保険とは別の保険が用意されています。

 

雑居ビルや店舗ビル・商業ビルの保険は、大手の東京海上日動を例にすると、企業総合保険と呼ばれる商品になります。

 

企業総合保険(東京海上日動)の概要
企業総合保険は、規模が10億未満の店舗ビル・商業ビルや雑居ビルが対象となっています。10億以上の建物となると、企業財産包括保険と呼ばれる別商品になります。ここまで大きい建物を所有する方は、プロに近い方なので、ここでは割愛します。

 

企業総合保険の保険料は、地域による料率以外に雑居ビルの中に入る店舗業種によって火災保険料が違います。つまり、飲食店火器類を使用する店舗の場合は必然的に事務所ビルより高くなります。職業割増といって、職種によって火災保険の割り増しが異なってきます。

 

住居系の火災保険でも1階が店舗になっている物件で、そこに入る店舗の職種によって火災保険の金額は上下しますが、企業総合保険ほどではありません。基本が住居系をベースにした保険と、雑居ビルや店舗ビルなどリスクが高い職種向けに作られた企業総合保険ではベースが違うからです。

 

また住まいの保険は一番安いM(マンション)とT(耐火)とH(非耐火いわゆる木造)の3つに分かれますが、企業総合保険では1級(RC)2級(鉄骨)3級(木造)の3つとなります。もちろん、1級のRCは燃えにくいので安く、3級の木造は燃えやすいので、保険料が高くなるという関係になります。 

 

住居系の火災保険では、同敷地内の設備や付属建物などが自動的に補償の対象に含まれますが、企業総合保険では屋外装置や付属建物は明記して保険金額を設定して別契約となりますので、やはり高くなります。

 

企業総合保険の補償内容(住居系との比較)
さて企業総合保険は、住宅系の保険と何が変わるかというと、基本の補償内容は、ほぼ変わりはありません。火災・落雷・破裂・爆発から建物の電気的・機械的事故などの補償内容の基本的な考え方は同じになっています。

 

違う点もいくつかありますが、大きな点は地震保険です。

 

【細かい違い】
@水災補償
水災は、すべての保険を付けるプランを選択すると、水災補償をゼロにはできず、5%、30%50%、70%を選択しないといけません。水災のリスクが低い場合は、5%や30%を選択すると良いでしょう。また、水道管凍結費用が住居系火災保険には、10万限度としてありますが、企業総合保険ではありません。すべて自己負担となります。

 

A施設賠償保険
施設賠償は、住居系と大きくは変わりませんが、店舗ビルや雑居ビルとなると、高額になります。住居系の何倍かになります。難しい話ではなく、不特定多数の人が、出入りするため、住居系に比べれば、事故が起きやすいからです。

 

また、細かい部分をいえば、自販機や今ランドリーなど現金を投入することでサービスを提供する機械には盗難目的によって生じた損害は保険金を支払えない、などありますが、よく調べてから保険を掛けることをお勧めします。

 

【大きな違い】
住居系の火災保険と大きな違いは、(政府が再保険する)地震保険が付帯できないことです。地震保険の記事を見て頂ければわかりますが、地震保険の対象は居住用の建物と家財です。そのため、企業総合保険には、住居系の地震保険が付帯できないのです。ここが大きな違いです。

 

とはいえ、雑居ビルや商業ビルにとっても地震は大きなリスクなので、各保険会社が独自に、地震保険の商品を用意しています(していました)。

 

企業総合保険に各保険会社が地震時の補償について商品を用意していましたが、大手各社の動向をみていると、地震保険の特約を付けるのは大変難しい状況です。これは、東日本大震災での影響が大きく、地震発生時のリスクを各保険会社が引き受けできなくなっているからです。

 

なぜなら、家庭用の地震保険みたいに一部損などの条件付きでなく設定した保険金額まで損害額を支払う各保険会社独自の方式となっているからです。そのため、仮に企業総合保険に地震保険を付けたとしても、地震保険料は条件や地域によりますが、火災保険料の3−4倍ほどと高額になります。

 

 

【企業総合保険】

 

保険内容

入るべき保険かどうか

火災保険
※住宅系と考え方は同じ

 

 

 

 

 

 

 

火災・落雷・破裂・爆発

◎ 当然火災は最大級のリスクなので
風災・ひょう災・雪災

 

○ 発生確率は低いが念のため

 

水災

◎ 高台以外であれば必ず入るべき
飛来・落下・衝突 △ 発生確率は極めて少ない
騒じょう等による暴行・破壊 △ 発生確率は極めて少ない
水濡れ ◎ 賃貸経営でかなりの確率で発生
盗難・偶然な事故による破損・汚損 ◎ 建物への破損・汚損の補償は重要
建物電気的・機械的事故特約 ○ エレベーター等の機械設備があれば
地震保険

※企業総合保険に付帯できない
?各保険会社が独自に地震保険を用意。ただし、現在ほとんどの保険会社が受付を停止しているので入れない可能性が高い

※入れないことを前提にリスクをコントロールすること

 

まとめ
・雑居ビル、店舗ビル、商業ビルも火災保険には必ず入ること
・各保険会社独自の地震保険にもほぼ加入できないので地震リスクが残ることは覚悟すること
※東京海上を例にすると、高額!な施設賠償は、必須で加入となります

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