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特別償却資産も利益を圧縮するのに最適

減価償却には、定額法や定率法などの一定の方法がありますが、その他に通常の計算方法以外に特別償却という方法があります。とはいえ、定率法と考え方が似ており、早期に費用化することで節税には向いていますが、費用化できる総額は、通常の方法と変わりません。

 

定率法も早期に費用化できるのですが、特別償却はさらに早く償却できるメリットがあります。

 

特別償却とは
特別償却とは、政府の政策税制である租税特別法に基づいて、通常の減価償却費に上乗せする形で償却費を計上できる優遇措置となっています。固定資産の取得価額を基礎とし、償却率を乗ずる方法で初年度に取得価額の一定割合を一時に償却できます。

 

特別償却 取得価額?×?特別償却率?=?特別償却

今期に計上できる減価償却: 通常(定額法もしくは定率法)の減価償却費 +特別償却費

 

つまり、この特別償却率があることで、初年度に定率法だけよりも高く減価償却できます。これを利用することで利益が一気に圧縮することができるので、手残りの現金が増えることになります。

 

 

特別償却できる対象とは

政府の産業政策の一環として特別償却の対象が変わります。石油系のエネルギーに頼らない自然エネルギーの発展を進めたいという政策になれば、太陽光発電のようなものが対象となりますし、中小企業の投資の活発にしたい場合は中小企業の機械が対象となります。

 

このように毎年の税制改正でより、改廃されたりしますので、制度改正をよく見ておくといいでしょう。適用を考えておく場合は、個別の制度の要件をよく確認する必要があります。

特に気を付けるポイントとしては代表的には下記のようなものがあります。

 

・対象は、原則青色申告を提出している中小企業者の法人

・特別償却と特別税額控除の二十計上はできない 

・圧縮記帳の特例を受けている時には、特別償却、特別控除は受けられない場合がある 等

 

特別償却の計算例

賃貸経営者が、機械を購入することはほとんどないと思いますが、簡単にするために、中小企業の法人が耐用年数10年の機械装置を購入したことにします。

 

取得価額1000万、耐用年数10年 定率償却率0.2 特別償却0.3

 

初年度にどの程度減価償却ができるかというと、下記になります。

 

普通償却:1000万*0.2=200万

特別償却:1000万*0.3=300万

合計:500万

 

つまり、1000万で購入して初年度に500万の減価償却費が計上できます。手元に残る現金が増えます。

本来は、陳腐化の激しい商品開発に投入する資産は、早めに減価償却して資金を回収し、次への投資へ資金を活用できるように中小企業を支援する仕組みです。

 

賃貸経営者としては、このような資産を購入することで、賃貸経営での利益を圧縮し、現金を早期に回収して次への投資へ活かしてしてくことになります。

 

また、法令の種類によっては、特別税額控除も活用できます。

 

特別税額控除

特別税額控除とは、減価償却費を大きくプラスして損金を増やす特別償却ではなく、直接的に税金を割引しましょうという制度です。対象としては、特定中小企業者等に該当する法人となります。特別償却の代わりに法人税から取得価額の7%を控除できる特別税額控除が選択適用できます。

 

但し、この特別税額控除は、法人税額の20%が限度になります。そのため、特別償却した方がいいのか、特別税額控除した方がいいのかは、シミュレーションして検討した方がいいでしょう。

 

先ほどと同じ例を出すと、

取得価額1000万、耐用年数10年 定率償却率0.2 特別償却0.3の変わりに特別税額控除7%

 

初年度の減価償却と税額控除は以下のようになります。

 

普通償却:1000万*0.2=200万

            +

特別税額控除:1000万*7%=70万

 

特別税額控除は、トータルでの節税効果では有利になりやすいです。なぜなら、減価償却資産は、早く償却しようがゆっくりでも総額の減価償却費は変わりませんが、プラスして特別税額控除が受けられるからです。ただ、実効税率や利益の上下により、シミュレーションしてどちらが有利かは判断が必要です。

 

まとめ

賃貸経営者からすると、保有物件を売却するときが、利益の出やすいタイミングとなります。売却のタイミングで一気に利益が出ますので、その時に特別償却や特別税額控除を使うかを検討した方がいいでしょう。毎年制度が変わりますので、毎年の税制改正の内容を確認しておきましょう。

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