法人の役員社宅の賃貸について

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役員社宅の利用で節税(賃貸)

会社を設立後、徐々に利益がではじめると、自然と節税のための経費を探すようになります。年末に慌てて設備投資をして節税しているケースもありますが、継続的で安定的な経費としてとても有効なのが「役員社宅」です。

 

賃貸経営でも利益が出始めると、国が認めている役員社宅の節税手法を活用するのは一つの良い考えです。

 

役員社宅のメリットとは?
そもそもなぜ役員社宅が節税になるのでしょうか。通常、会社の社長や役員が賃貸物件に住んでいても、その家賃を会社の経費にすることはできません。当然といえば当然ですが、もしもこれを会社の経費にできれば家賃は毎月一定の金額が発生するわけですから、計画的に節税できるようになります。

 

そこで、現状社長や役員が直接大家と賃貸借契約を結んでいるところを、「役員社宅」として会社名義で借りて会社から役員に社宅として貸し与えることで、家賃の経費化が実現できるのです。

 

賃貸物件で役員社宅を活用する際のポイント
賃貸物件を役員社宅にするためには、役員が所有者と直接賃貸借契約を結んでいる状態から、以下のような状態に変更する必要があります。

 

通常:所有者と役員が契約

 

役員社宅:所有者と会社が契約、会社が社員に貸す

 

このように会社名義で所有者から物件を賃貸することで、その家賃を会社の経費とすることができるのですが、家賃ならいくらでも良いというわけではありません。役員の家賃を会社が出すということは、事実上、役員に対して家賃相当の給与を支給しているのと同じ状態ですから、通常であれば給与として課税対象となってしまいます。

 

つまり、せっかく経費にできたとしても、その分社員の給与が増えてしまい、給与が増えた分会社が負担する社会保険料なども増えてしまうのです。これでは本末転等です。

 

そこで、このような状態を回避するために、家賃の「一部」を役員本人が負担することで、給与としての課税を免れることができます。役員が負担すべき一部の金額のことを「賃貸料相当額」といい、次のような計算方法によって求めます。

 

【住宅の要件】
建物の耐用年数が30年以下の場合(木造)には、床面積132u以下
建物の耐用年数が30年を超える場合(鉄筋コンクリート)には、床面積99u以下

 

なお、区分所有のマンションなどについては、「共用部分(通路やエントランスなど)」の床面積についても按分し専用部分の床面積に加える必要があるため注意しましょう。

 

【賃貸料相当額の計算方法】
役員が負担する賃貸料相当額は、次の3つの計算によって算出した金額の合計額となります。
1:(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
2:12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/(3.3平方メートル))
3:(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%

 

固定資産税評価額の2つの調べ方
固定資産税評価額は、次の2通りの調べ方があります。

 

1:所有者に聞いてみる

 

物件の貸主である所有者に対して固定資産税を直接尋ねるのが、一番手っ取り早い方法です。ただ、社宅契約が初めての所有者の場合、固定資産税を賃借人から聞かれることがまずないため、不審に思ったり、面倒に感じて教えてもらえないこともあります。

 

特に入居直後などに言うと、余計に不審に思われる可能性もありますので、できれば入居申し込みの際に、契約後社宅契約の役員負担分の金額を算出するにあたって固定資産税評価額が必要になる旨、あらかじめ伝えておくと開示されやすいでしょう。

 

なお、所有者が固定資産税評価証明書を持っていない場合は、毎年税務署から送られてくる納税通知書に固定資産税評価額の記載があります。このように、所有者に直接聞く場合は、それがどこにかいてある金額なのかまで丁寧に教えてあげると、よりスムーズに開示してもらえるでしょう。また、管理会社がある場合については、管理会社経由で確認するようにしましょう。

 

2:こちらで調べる

 

固定資産税評価額は、賃借人であるこちら側で調査することも可能です。固定資産税評価額は、都税事務所や県税事務所の固定資産税課税台帳に記載がありますので、それを直接確認しましょう。

 

ただし、固定資産税評価額は誰でも教えてくれるわけではありません。閲覧したり、固定資産税評価証明書を取得する際には、賃借人であることを証明するために、必ず賃貸借契約書を持参するようにしましょう。

 

なお、新築物件の場合はまだ固定資産課税台帳に載っていない可能性がありますが、この場合は不動産取得税の計算根拠としてすでに算出されているので、役所の職員の人に直接聞いてみましょう。

 

まとめ
・役員社宅を活用することで、少しの役員負担で家賃の大半を経費として計上して節税できる
・役員社宅を活用するためには、役員負担分を算出するために、必ず固定資産税評価額を調査要
 (一律に役員負担額を50%に設定しているケースがありますが、これでは節税対策上非常に非効率)

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