不動産投資では建築基準法に遵守していること

大家の味方:不動産投資・空室対策・リフォーム・火災保険・法人保険・バイク駐車場・トランクルーム・節税

建築基準法に合致しないものは買わない方がいい

日本において建物を建築する場合は、安全上の問題や財産保護上の問題などから、国が定めた「建築基準法」という法律の最低基準を満たさなければなりません。これは不動産投資をするために、アパートやマンションを建築する場合も同じです。

 

そこで今回は不動産投資家なら必ず知っておくべき建築基準法と違法建築物等との関係について解説したいと思います。

 

不動産投資家が賃貸物件を建築するには建築基準法の最低基準を満たしていなければなりません。ですが、世の中にはこの基準を満たしていないのに存在している建築物が多々あります。これらの建物は、大きく分けると2つに分類されます。

 

一つ目:違法建築物
この違法建築物は、上級者以外、購入していはいけない分野です。

 

どういうものかというと、「建てた当初から役所に建築確認の申請を出さずに勝手に自分の土地に建物を建築してしまったようなケース」です。

 

不動産投資の世界においても、このような違法建築物が多く出回っています。不動産投資で重要なのは「利回り」です。そして利回りを高くするためには、家賃収益が上がるように、より多くの部屋や店舗をつくる必要があるのですが、建築基準法には「容積率」という制限があるため、これがネックになることがあります。

 

そこで、マンションの1階を駐車場として役所に建築確認申請を出します。駐車場の面積は一定の範囲までは容積率に換算されません。そのため、通常であれば3階建てしか建築できない場所でも4階まで建築することができてしまうのです。

 

そして正式に建築確認がおりて着工してから、1階にこっそり事務所や店舗でつくってしまうのです。もちろん利回りは非常に高くなりますが、こうしてでき上がった建物は違法建築物となります。大阪では、このような、違反建築物がとても多いエリアです。

 

大阪は、あまりにも違反物件が多いために、大阪の信用組合や信用金庫などでは、違反の程度によって融資をしているところが多くあります。ある人は、他の不動産投資に影響を受けないようにするために、大阪専用の法人を作っている方までいます。

 

大阪では融資が得やすいですが、他のエリアでは基本的に銀行融資は受けることができません。基本的にはノンバンク系(セゾンファンデックス、三井住友L&F等)でしか融資は受けれないことを覚悟しておきましょう。つまり、流通しにくい物件なので、高利回りになっていますが、確実に出口が見込めるような物件を狙う以外になく、あくまでも上級者向きといえます。

 

このように、違法建築物には容積率超過以外にも、建ぺい率超過、斜線制限違反、用途制限違反、接道義務違反、無確認建築物などがあります。不動産投資で物件を探しているときには、募集図面に「違法建築物」とは書かれていません。どちらかというと、建ぺいオーバー、容積オーバーという表記になります。

 

また、余談ですが、検査済みがあれば何でも大丈夫ではなく、検査済み証の発行を受けた後に違法に増築しているケースもあるため、現場確認は必ず行い、未登記建屋や増築した後を見つけることは重要なことです。

 

二つ目:既存不適格建築物
建物を建てた当初はちゃんと役所に申請をして、建築基準を満たした上で建物を建築しています。この時点ではまだ何の問題もありません。ですがその後、建築基準法という法律自体が改正され、以前の基準よりもより厳しい基準となった場合、以前の基準をベースとして建築された建物の中に、最新の法改正の基準を満たしていないものが出てきます。

 

このように、法改正という外的な要因によって結果的に現在の法律に適合しなくなってしまった建物のことを「既存不適格建築物」と言うのです。

 

このように、違法建築物と既存不適格建築物ではその悪質性が全く違います。そのため、これらの建物に対する行政側の対応の厳しさも全く違ってきます。

 

既存不適格建築物については、もともと所有者には落ち度がないため、一定の規制を緩和したりといった対応をしていますが、違法建築物の場合は非常に厳しい対応となり、既に完成している建物であれば使用禁止命令が出たり、最悪の場合ライフラインの供給を停止される場合もあります。また建築段階で発覚したような場合は、工事の停止命令が出ることもあります。

 

 

再建築不可物件とは
物件を購入する際にもう一つ注意をしてほしいのが「再建築不可物件」です。これはその名の通り「一度壊したらもう一度建物を建築することができない物件」という意味です。その問題は「土地」にあります。

 

建築基準法では、「接道要件」というものがあり、建物を建築する場合は万が一の際に消防車が通れるよう一定以上の幅の道路に2メートル以上接していなければならないのですが、これを満たしていない既存の建物が多く存在します。

 

この場合は、「今現状はとやかく言わないけれども、万が一壊して建て直すなら、この要件を満たさなければ建物を建ててはダメですよ」という状態になっているのです。これを再建築不可物件と言います。これは、現状では、違反物件ですよということです。

 

どちらというと、違反物件や、既存不適格物件の多くは、容積率オーバーや建ぺいオーバー、用途変更などの問題が多く建て替え時には、少し小さくなるけど建築ができるケースが多いですが、再建築不可は、道路付けの問題で建築できませんということで、価値はほとんどなくなってきます。

 

ですから、再建築不可物件を購入するということは、たとえ土地付だとしても、今の建物が老朽化して取り壊しになればそれでおしまいです。再度新しい建物を建てたいのであれば、接道要件を満たすために道路認定を受けるなど、かなりの苦労が必要となります。

 

このような非常に厳しい制限があるため、再建築不可物件を購入する場合は、銀行からの融資が受けられない可能性が高くなります。ということは、将来的に転売するときにも買い手が見つからない可能性も出てくるということに注意しましょう。

 

まとめ
・違反物件や既存不適格は、融資が付きにくいので大阪以外で積極的にトライする価値なし
・再建築不可は、建物のもしもがあると建て替えできないので著しく価値が低く、上級者向け

 

無料メルマガ登録:大家の味方

メルマガ登録ページへ

建築基準法に合致しないものは買わない方がベター 関連ページ

瑕疵担保とは何か
公募売買の意味を知る
トラブルの多い私道負担
手付解除はよく知らないと無条件解除できなくなる
ローン特約もよく知らないと無条件解除できなくなる
不動産投資の売買時の敷金の扱い
建ぺいや容積率が契約と違う場合解除できるか
宅地造成区域は気を付けないといけない
根抵当権付きの物件は少し注意する
債務不履行と損害賠償
仮登記されている土地・建物の注意点
差し押え登記がされている場合の注意点
保証会社が入っていれば賃料保証・明け渡しまで行う
滞納発生から督促状発送までの手順
契約解除しても出ていかない場合は、明渡訴訟
滞納者でない人が占有しそうな場合は占有移転禁止の仮処分が必要
強制執行
未払い家賃:訴訟・少額訴訟
未払い家賃:給料差押
連帯保証人にどこまで請求できるか
保証会社・連帯保証人も利用できない場合は公正証書
騒音トラブルの解決は難しい
高齢者との賃貸借契約のポイント
孤独死の場合の手続き
孤独死の場合の対応ポイント
入居者からの損害賠償請求への対応
民法改正後の原状回復
境界線や所有権の紛争と解決方向性
樹木などの越境トラブル
隣地を通っている下水管トラブル