トランクルームのセキュリティ
室内型のトランクルームのセキュリティはどの程度のレベルが必要になるかを説明します。
まず前提として、貴重品や高価なものは許認可の倉庫業のトランクルームであり、賃貸経営者は許認可の必要のないトランクルームになります。つまり、貴重品や高価なものは保管しない規約にします。
高価なものがないという前提のもと、セキュリティのレベルを決める必要があります。
入口のセキュリティ
トランクルームに入る入口のセキュリティは、トランクルーム利用者しか利用できないように制限を掛けます。
高価なものは、保管されていないので、電子錠や非接触型のカード鍵など高価なセキュリティ設備を設置する必要性はありません。
通常のシリンダー錠ですと、利用者から不安が聞こえてくるので、複製が困難と言われているディンプルキーもしくはリバーシブルキーで十分です。もちろん、競合がすべて非接触型のカードキーなどを使っている場合には、グレードが相当程度ダウンしますので、導入することも有り得ますが、投資対効果は低いので、余程のことがない限り、ローコストディンプルキー等にした方が無難です。
※リバーシブルキー:一般的に上下正しい向きでないと差し込むことはできないが、上下の向きをどちらにしても差し込め、開錠できるキー。リバーシブルキーは非常に便利な上、一般の鍵屋ではコピーが難しい
※ディンプルキー:シリンダーの作動によって制御される錠(シリンダー錠)の一つで、シリンダー内に並べられたピンの制御を、表面に多数の深さや大きさの異なる小さなくぼみ(ディンプル)が付いている鍵
鍵の費用も高くないため、紛失した場合の利用者の負担も和らげることができます。
保管専有部分の鍵
保管専用部分には、契約した区画に入るための鍵が必要になります。利用者しか使われることはないため、ディンプルキーもしくはリバーシブルキーで十分でしょう。
基本は、入口と保管専有部分の鍵2本が最低必要となります。鍵は複製がしにくいといっても、技術上は可能なため合鍵を作られる可能性はあります。ただ、窃盗犯もトランクルームの中に高価なものが入っていることがないので、盗みに入るケースはほとんどありません。
監視カメラ
予算次第ではありますが、入口と専有部分を監視できるカメラを設置すると防犯上の効果と利用者の安心に繋がります。セコムやALSOKなどの大手セキュリティ会社を導入するととてもセキュリティ上の効果はあるものの、毎月のランニング費用(1万〜2万)が高いのであまりお勧めしていません。
大手セキュリティ会社の駆けつけサービスが高いので、自分自身で監視カメラを設置しましょう。犯罪者への抑止効果と実際に盗難被害にあったときに警察に監視カメラの記録を提出できるところが重要です。
監視カメラは記録装置と合わせても40万〜50万程度では導入できるので初期費用は高いですがランニング費用がかからないので利回り次第では導入してもいいでしょう。
まとめ
最低でも2か所の鍵でセキュリティをしてください。競合次第ではあるものの、高価なものが保管されていないので、ディンプルキー程度の機能で十分でしょう。
監視カメラは、とても利用者に安心感を与える設備ではあります。ただ、窃盗に入られるケースは少ないので大手セキュリティ会社までコストを掛けるのは辞めた方がいいでしょう。