不動産投資の税務対策、損益計算書の売上高(収入)

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売上を正しく計上する:家賃滞納

損益計算書の売上高(収入)ではいくつか気を付けるポイントがあります。

 

家賃収入を単純に計上すればいいと考えるのですが、突き詰めると意外に悩むポイントがあります。

 

いつの家賃までを決算に含めるか
賃料の入金があったときに、家賃収入を計上するのですが、
通常の賃貸借契約では、 「当月分の賃料を前月末日までに支払う」となっていることが多いです。
翌年の1月分賃料が、12月末日までに入金されます。この翌年の1月分賃料を含めるかで悩むことがあります。
税法上の原則としては不動産の家賃は、契約で定められている支払日に計上するので、「当月分の賃料を前月末日までに支払う」と決められている場合は、前月に計上することになります。とはいうものの、わかりにくいため、会計処理が、毎年継続して同じ処理がされているのであれば、翌年の1月分賃料は、1月分に計上することは可能です。

 

つまり、管理会社を入れていれば、翌年の1月分賃料は、12月に集金しますが、明細書が送付されてくる時期が、翌年の1月になりますので、翌年の1月分賃料を1月へ計上してまったく問題ありません

 

 

礼金・敷金を売上に含めるか
・礼金
最近は、礼金をもらえることは少なくなりましたが、分譲賃貸、ペット可、都心等では取得できることもあります。この礼金については、当然ながら大家の収入になりますので、取得した日で売上を計上します。

 

・敷金
敷金は「保証金」の意味合いで預かっていて、 滞納や、退去時に修繕が必要な場合にこの敷金から差し引いて返します。

 

【敷金を契約終了時に精算する】
契約した時点で敷金を受領した場合は、「預り金」を計上しておきます。
契約期間が終了した時期に滞納やリフォーム負担金を調整し、精算金額が確定する場合は、その精算した日付で計上することになります。全額返金する場合はいいのですが、たとえば10万円をリフォーム費用で精算した場合です。

 

預り金を修繕費と相殺で仕訳をおこすことは可能ですがあまりお勧めしていません。費用科目が貸方に来ると、値引ぎ、修正のような印象を与えるため、賃貸経営上は、精算金額で敷金の一部もしくは全部等を使う場合は、売上に計上して処理しましょう。

 

預かり敷金全額の10万円分を売上にして、そのまま修繕につかった場合です。
預り敷金 10万/売上高10万
修繕費 10万/現金 10万

 

 

【保証金・敷金を償却する:敷引】
関西や九州、そしてペット可物件などで多いのが、敷金を償却する方法として、敷引きと呼ばれる方法があります。これは、借主に返金しなくて良い金額が契約で決まっているケースです。

 

この場合は、保証金・敷金の償却する金額を売上に計上しないといけません
)保証金の6カ月分を償却、ペット可に多いですが敷金3か月分全額償却 等の場合です

 

つまり、保証金や敷金のポイントは、

・契約終了時点で精算する保証金や敷金は、契約精算時に敷金の一部もしくは全額を売上計上する
・契約開始時点で返さなくてよい保証金や敷金は、契約時に受け取ったタイミングで売上計上する

 

火災保険の保険金受領について
物件には、通常火災保険に入っていると思います。
建物に何かしらの損害が発生し、火災保険から損害金として保険金を受領する場合、個人と法人では異なります。

 

個人所有の場合は、
火災保険で建物の損害に対する保険金を受領した場合は非課税のため、売上に計上する必要がありません。
・孤独死や自殺に対応した家賃収入保証の保険の場合は、補償された家賃は売上対象となります。

 

法人所有の場合は、
・火災保険で建物の損害に対する保険金を受領した場合は、課税対象となり、雑収入として計上することになります。あくまでも通常の家賃収入とは違う売上のため、売上高で計上するのではなく、営業外収益として計上することになります。そのため、法人で受領した保険金は、課税対象ということです。受け取った保険金と工事費用の差額がプラスになる場合は、課税されることになります。
・その他の家賃収入保証保険や生命保険等に関しても法人で受け取る場合は、基本課税対象となります。

 

保険金の扱いについては、法人よりも個人の方が有利です。

 

まとめ
賃貸経営をしていると、様々な入金があります。家賃収入、駐車場収入といったわかりやすいものから、保証金や敷金、敷引きなど契約書の内容で計上タイミングが異なるものがあります。入金が売上にどのように紐づいていくかを理解しておきましょう。税務対策の前に会計の基礎知識を理解しておきしょう。

 

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