不動産投資ノウハウ、築古土地値投資法

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築古土地値投資法

築古の土地値投資とはどのような投資法でしょうか。

 

築古土地値投資法とは
売買価格と土地値(路線価ベースもしくは実勢価*u数)が近いもしくは土地値が上回っているような物件に積極的に投資をしていく投資法です。戸建もこの中に含みます。

 

@メリット
・バランスシートが良好になりやすい
建物の価値はほとんどゼロとみなし、土地値で売買価格を上回ることで、経年変化の起きない土地資産を取得していく手法であるため、バランスシート上の土地評価額がほとんど目減りしません。ローンを組んでいる場合は、負債が減っても資産は減らないので、バランスシートが良好になりやすい特徴があります。銀行にとっても、良好な決算書になる確度が高い手法です。

 

・売却時に失敗する確率が少ない
買値が土地値ですから、売却するときも土地値ベースでは比較的売れると想定されるため、失敗がしにくい投資といえます。

 

・マーケットに物件がある
たくさんとはいえませんが、それなりに、土地値程度で買える物件はあります。築が40年以上経過した建物でも良ければ、都心部でも土地値物件は探せます。建物の価値はないため、所有者は解体して売り出す手間があるので、解体費を差し引いた金額で売りにでることもあります。
関東圏でも、東京はやや探すのが難しいが、神奈川、埼玉、千葉等であればそれなりの件数が見つかります

 

・利回りが高い
建物の価値がないため、土地値をベースにした満室家賃収入となると、高利回りの物件が多くあります。但し、現況で満室の物件は少ないと考えてください。
現所有者が既に大家業にやる気をなくしていて処分したい場合に、売りに出ることが多く、既に借入のない大家が多いため土地値程度で売れればという理由で高利回りになりやすい傾向です。

 

・節税に向いている
建物の価値はほとんどない物件が多いのですが、売買契約書を締結するときには、建物の金額を高めにしておくと節税できます。耐用年数をオーナーしている物件であれば、建物価値の金額分を4年で減価償却できます
キャッシュフロー1棟投資などで一気に拡大した人が、節税目的に築古投資を行うことは面白い戦略でしょう。

 

Aデメリット
築古土地値投資は素晴らしい反面、大きな弱点もあります。

 

・融資年数が長く引けない=キャッシュフローはでない
銀行は、法定耐用年数から経過年数を引いた年数=残存耐用年数を基本の融資年数とするため、残存耐用年数をオーバーした物件に対して、長く融資年数を設定することが難しいもしくは融資ができないことがあります。
土地値がありますので、担保価値はありますので、融資は引けますが、10年から長くても15年がMAXになることが多いです。
そのため、毎月の返済額が上がり、キャッシュフローがほとんどでないもしくは赤字になることがあります。

 

・築古のため、建物の問題が多い
耐用年数がオーバーしている築古物件のため、建物が抱えているトラブルが多くなりがちです。
建物の外壁や廊下など目に見える部分の問題だけでなく、部屋の内部においてシロアリが進行していたり、床がぶよぶよになっていて少し腐っているなど古いとそれだけトラブルが多くなります。

 

購入すると大問題になる箇所は見抜けるスキルがないと高利回りに見えた物件がトラブル物件になる確立が高い投資手法です。ブログなどでトラブルを解決した面白おかしく書いている記事もありますが、基本的には築古の物件の問題を見抜けるスキルがなかったことが起因しています。

 

つまり、築古の物件に投資するには、建物を診断できるスキルが必要になります。

 

・築古の入居者の質は低いことが多い
ビンテージマンションは別であるが、日本人は新築が好きであり、同じ間取り・面積でも古くなれば、家賃は落ちていきます。その低家賃に住んでいる層というのは、収入が低い人が多くトラブルを抱えているケースが多くなりがちです。騒音を出して他の入居者を追い出してしまう入居者などが発生したりと極端な入居者が出てくる可能性が高くなります。

 

つまり、築古の物件の運営は、難易度が高くなり、滞納や入居者間トラブルなどを解決できるスキルが必要になります。

 

・急拡大には向かない投資法
 2棟目以降を購入しようとした場合に、1棟目で築古で融資を受けているとなかなか融資が出にくい状況となります。1棟目は、土地の担保評価と属性(サラリーマン収入等)でカバーできることが多いのですが、2棟目を購入する時に、1棟目を銀行で再評価されます。銀行の再評価時に、耐用年数がオーバーしている物件に融資があるとマイナスに評価するからです。都銀になりますとこの傾向が鮮明です。信用金庫、信用組合等ではそこまでのマイナスにならないケースもあります。

 

そのため、信用組合等で融資を受けるとしても、融資の限度が2億くらいまでと上限があるので、拡大が停まりやすい投資法です。

 

返済が進むと純資産が増えてバランスシートが良くなり、収支が安定しているのであれば、多くの銀行が使えるようになりますが、賃貸業のプロとしての決算の実績が肝心となります。

 

まとめ
築古の土地値投資は、資産価値は高く失敗の可能性が低い投資といえますが、購入時と運営時に建物を見極め、入居者対応のスキルが要求されるため、やや難易度の高い投資といえます。ローンを組むとキャッシュフローが出にくい物件が多いため、キャッシュフローが出なくてもやっていけるかよく確認する必要があります。
また、急拡大には向いておらず、返済を減らすことで決算書(純資産を増やす)を良くしながら、拡大していく方法となります。

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