賃貸管理会社の理解:建物管理A
建物の中には、貯水槽点検と浄化槽点検が必要なケースがあります。忘れがちなコストではありますので、どの程度費用がかかるものか把握しましょう。
専門業者では、見積もりが上振れすることは少ないですが、賃貸管理会社に依頼すると高いこともあり、交渉の余地があるところです。
貯水槽点検
貯水槽点検は、年1回法令で義務付けられている点検です。
詳しく書くと、ビル、マンション等に設けられた受水槽(タンク)などの給水装置は、「簡易専用水道」として水道法の適用を受けるものがあり、「簡易専用水道」の設置者の方は、常に安全で衛生的な飲み水を確保するために正しい管理を行って、定期的に検査を受けなければなりません。
そして、市町村や水道企業団などの水道事業者から受ける水のみを水源とし 、その水をいったん受水槽に貯めた後、建物に飲み水として供給する施設で、受水槽の有効容量の合計が10立方メートルを超えるものは、年1回法令で検査を受けなければなりません。
検査とは、施設の外観検査(受水槽、高置水槽及びその周辺の状況等の検査)、水質検査(給水栓の水について、臭気、味、色、色度、濁度及び残留塩素の有無を検査)、書類検査(水槽の清掃の記録等)を行います。
つまり、賃貸経営で取得するマンションやアパートで受水槽有りとなっている物件は、基本的に貯水槽点検が必要になります。貯水槽点検が必要になることを知らないで運営していて、水質トラブルで入居者が腹痛を起こしたりすると、オーナー責任になるので、忘れずに点検を依頼しましょう
【費用について】
水槽の大きさによりますが、下記程度を参考として下さい。
容量 | 料金目安※下記に+水質検査1万円内 |
---|---|
5トンまで | 40000円〜60000円 |
10トンまで | 40000円〜70000円 |
15トンまで | 50000円〜80000円 |
20トンまで | 60000円〜90000円 |
浄化槽点検
浄化槽点検も貯水槽点検と同様、法令で年1回の点検が義務付けられています。また使用開始して3か月を経過した日から5か月間に受検する「設置後の水質に関する検査」もあります。
受水槽と同様、点検をしないといけないが、点検費用は受水槽よりは高くなります。点検・清掃だけでなく、汚泥引き抜き作業(汚泥物)が高くつくからです。
投資するときには、浄化槽の物件の場合は、やや高くなることを考慮しておくといいでしょう
【費用について】
下記を目安に業者と交渉しましょう。
20人槽の大きさで保守点検(法定含む)、清掃、汚泥引抜きで年30万程度というレベルです。
合計:30万
・保守点検:5万円
・清掃:4万円
・汚泥引抜きが一番かかり、1トンあたり1万*20トン=20万程度。
・法定検査:1万
浄化槽は、下水管が来ているのであれば、下水管につなげましょう。保守点検費用がかからなくなります。しかし、下水本管への引き込みの初期費用がかかります。下水管につなげる費用が投資が現在掛かっいる年間費用の3年〜4年分であれば、実施した方が投資対効果はでますが、中には300万円以上かかるケースもあり、費用対効果がでない場合もあります。
種類 | 内容 |
頻度 |
費用 |
---|---|---|---|
保守点検 |
浄化槽の稼動状況を調べて、機器の点検・調整・消毒薬の補充等
|
3か月か4か月に1回以上
|
50,000円〜100,000円/年 |
清掃・汚泥引抜き | 浄化槽内の清掃、汚泥等の引き抜き |
1 |
清掃:容量に応じて 汚泥引抜:1トン10,000円〜15,000円程度 |
法定検査
|
新設:浄化槽の設置工事が適正に行われ、浄化槽が正常に働いているかどうかを検査 |
設置後4〜8か月の間に1回 |
5,000円〜10,000内
|
2年目以降:保守点検や清掃が適正に行われ、機能が十分に発揮されているかどうかを検査 |
1年に1回
|
5,000円〜10,000内 |
まとめ
貯水槽点検、浄化槽点検は、賃貸経営でも忘れやすい費用ですが、法令で定められているので、しっかりとチェックしましょう。浄化槽の保守点検費用は、高くつくので物件を買うときには、費用を織り込んでおかないと経費率が高くなり、思ったよりキャッシュフローがでていない、ということになりかねません。物件購入前には、費用がどの程度かかっているかは把握しておきましょう
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