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節税対策:賃貸アパートの建設で失敗したケース

節税対策として賃貸アパートの建築はとても効果的ですが、必ずしも成功するとは限りません。やみくもにアパートを建ててしまうと、かえって損失を出してしまう場合もあるため、この方法で節税対策を講じる方は、その点について十分注意する必要があります。

 

そこで今回は、賃貸アパートの建築で失敗するケースを分析しながら、どのような事に気をつければ良いのかを考えてみましょう。

 

失敗@思ったよりも「収益性」が上がらないケース
この記事を読んでいる人の中には、「節税対策のために賃貸アパートを建築しよう」と考えている人もいるかと思いますが、実はその考え方は大変危険です。そもそも賃貸アパートは「賃貸経営をして収益を上げて資産形成するために」建築するものであり、「節税対策のために」建築するものではないのです。

 

賃貸アパートの建築による節税効果は、あくまで副産物であり、主たる目的は「収益」を上げなければ意味がないのです。これを勘違いしていると、大きな損失を出す恐れがあります。

 

例えば、最寄り駅から徒歩20分の場所に更地を所有しているとします。この場合に1億円を借り入れてアパートを建築したとします。更地にアパートを建築すれば、土地の評価額は2割程度引き下げられますし、1億円で建てたアパートは相続税評価額としては3500万円程度に抑えられますから、節税効果としては一見すると問題ないかのようにも見えます。

 

ですが、1億円の建築資金は借金ですので、毎月かなりの金額を銀行に返済していかなければなりません。
そしてその借金返済のための財源となるのが「家賃収入」です。

 

ところが、駅から徒歩15分以上離れているような場所の物件は、もともと賃貸需要が乏しく、新築当初は問題なくても築年数が10年程度経過してくると、徐々に空室が目立つようになり、予定していた利回りが維持できなくなる可能性が出てきます。

 

また、木造アパートの場合は、それに追い打ちをかけるように建物の外壁などの補修、改修が必要になる場合もあり、まとまった費用が必要になる事もあります。

 

昨今は少子高齢化時代であり、ワンルームの主な顧客層である20?30代の若者は人口減少とともに、今後どんどん減っていくことがほぼ確実ですから、多くの地域で「供給過多」が発生する可能性もあります。

 

そのため、節税対策のために賃貸アパートを建築する場合は、必ずその土地の立地で本当に賃貸需要があるのかどうかを、近隣の不動産屋にも相談しつつ、慎重に検討することをおすすめします。

 

失敗A「担保価値」が低く見られて失敗するケース
分かりやすくするために、先ほどの「失敗@」と類似のケースで考えてみましょう。

 

自分の所有している土地に賃貸アパートを建築して、新築当初はすぐに満室になっていたが、子供がアパートを相続して以降、もともと立地が悪かったこともあり、どんどん空室が目立つようになり、また家賃の値下げ交渉も頻繁に発生し、最終的にローンを返済していく事すら厳しい状況に追い込まれたとします。

 

万が一そうなった場合、次に考える手段としてはその賃貸アパートの「売却」です。つまり、アパートを売って得た売買代金で残りのローンを完済できれば、大きな損失を出さずに賃貸経営に幕を下ろす事ができるでしょう。

 

しかし、このように駅から遠い物件や、近隣の環境が悪い物件については担保価値としての評価が非常に低いため、売ろうとしてもそう簡単には売れなくなります。通常、中古の1棟アパートを購入する買主の多くは銀行融資を利用しますが、この際にそのアパート自体に銀行が抵当権を設定します。

 

つまり、銀行はそのアパート自体の担保価値に応じた金額の範囲内で買主に融資をします。

 

そのため、もともと担保価値の低い物件の場合は、たとえ購入希望者が現れたとしても、銀行側の融資がおりない可能性が高いため、結果として現金一括購入できる買主に限定されてしまったり、非常に低い金額しか融資が出ないという事態が起きてしまうのです。

 

そうなれば当然アパートの売却価格は初期投資額よりも大幅に下がってしまい、節税対策云々ではなく、そもそも不動産投資として大失敗となってしまうのです。

 

このように、賃貸アパートは単に節税だけを目的として建築してしまうと、万が一「収益性」や「担保価値」が伴わなかった場合に、節税以上に大きな損失を出してしまう恐れがあります。

 

このような事態を阻止するためには、事前に賃貸需要をしっかりと見極めるとともに、その立地における担保価値についても事前に把握しておくようにしましょう。

 

まとめ
・相続対策のための、アパート建設はことごとく失敗している
・相続後に売却まで考えると、「損失 > 節税効果」 の場合がとても多い
・経営の意識がなければ、成功できるビジネスではないということ

 

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