不動産投資の物件探しは、実質利回りを簡便に使う

大家の味方:不動産投資・空室対策・リフォーム・火災保険・法人保険・バイク駐車場・トランクルーム・節税

物件探しには実施利回りを簡便に使え

記事「表面利回り・実質利回りの違いを理解せよ!」で解説しましたが、実質利回りを正確に出すことは難しいのです。予測しないといけない空室損や修繕費用、登記簿謄本の面積から登記費用や司法書士事務所手数料を割り出すことは簡単にできることではありません。

 

収益物件を探している段階で、この実質利回りを算出して判断を繰り返すのはとても骨の折れる作業です。実質利回りを算出するシミュレーターを使えばいいという声が聞こえてきそうですが、物件情報は日々膨大にくる中、精緻な実質利回りというのは算出するのはやってみると現実的でないことがわかるでしょう。

 

また、不動産業者から親切にも実質利回り等が記載されたシミュレーションが送られてくる場合がありますが、あまり見ない方が良いでしょう。

 

各社の予測の仕方は、各社で異なるので、どのように見積もっているかを把握するまでに時間がかかります。また、怖いのはここまで算出した綺麗な資料を見せられると、その数字があたかも正しいかのように感じられるのです。つまり、自分で判断を放棄してしまっているのと同じような状況になります。

 

それであれば、正確な実質利回りという考え方を諦めればいいのです。物件を探している時に、生真面目にひとつひとつシミュレーションするのではなく、簡便的に実質利回りを出して判断スピードを上げるのです。

 

したがって、他の人が作った資料はほとんど見ずに、自分の簡便的な方法で常に判断しています。その方が軸がぶれないからです。

 

つまり、実質利回りは、物件を選別するときに簡便的に使っているだけです。実際に物件を取得してしまえば、実質利回りを算出するというよりは、改善策を考える上で、経費や空室損を具体的に確認するようになります。

 

簡便的な実質利回りとは
繰り返しますが、簡便的に行う実質利回りは、物件の選別でしか使いません。そのため、簡便的な実質利回りの算出で使う数値は運営経費のみです。その運営経費には、予測となる空室損は含みません。その運営経費に関しても一定の割合の数値を使います。

 

 簡便的な実質利回り=(満室家賃収入―運営経費)÷物件価格=○○%

 

【運営経費(ランニング費用) 空室損失費用(除く)】
 管理料、修繕積立金、固定資産税、都市計画税、修繕費用、水道光熱費、リース料、出張費用等

 

具体的にいうと運営経費を構造別に決めています。区分マンションだけは別計算ですが、1棟マンション、1棟パートは下記の数値を使います。

 

  • 1棟マンション(RC):標準15% 、エレベーター有20%、機械式駐車場あり25%

 

  • 1棟アパート(木造):標準15%、築古・上水道が直結等 10%

例)RC 表面利回り12%のA物件、B物件
 表面利回り:家賃6万×12か月÷6000万=12%
 
A物件:RC 物件価格6000万円、家賃60万円、エレア有り 経費(20%)12万
B物件:RC 物件価格6000万円、家賃60万円、エレアなし 経費(15%)9万
 
A物件の実質利回り:
(家賃60万円―経費12万)×12か月÷物件価格6000万=9.6

 

B物件の実質利回り:
(家賃60万円―経費9万)×12か月÷物件価格6000万=10.2

 

このように算出します。実際には、エレベーター有りや機械式駐車場はお金が掛かるので、同じ表面利回りでも高い経費がかかることを瞬時に考えるわけです。不動産業者から連絡がある場合、RCでエレベーターがないと経費が安いので良い物件ですよ、という文章が来るでしょう。

 

とここまで、簡便的な実質利回りの使い道もたいしたことないなと思われたかもしれませんが、ひとつだけ重要な使い方があります。それが区分マンションです。

 

区分マンションでの簡便的な実質利回り
区分マンションでの簡便的な実質利回りの算出はとても重要です。区分マンションでの経費の掛かり方の差が大きいからです。

 

区分マンションで扱う経費は、管理費と修繕積立金の2つのみです。その他の経費はとりあえず横に置いて、管理費と修繕積立金の2つのみで算出します。

 

 簡便的な実質利回り(区分マンション)=(満室家賃収入―管理費―修繕積立金)÷物件価格=○○%

 

「表面利回り・実質利回りの違いを理解せよ!」の記事にも出てきた計算を抜粋します。区分マンション場合は、1棟マンション、1棟アパートと違い、家賃収入に占める管理費と修繕積立金の割合によって大きく実質利回りに差がでるからです。

 

〇区分マンション(地方) 物件価格600万円、家賃6万円、管理費1万5千円、修繕積立金2万円

 

表面利回り:家賃6万×12か月÷600=12%

 

実質利回り:
 (家賃6万円―(諸経費 管理費1万5千円―修繕積立金2万円)×12か月÷物件価格600万=5%

 

〇区分マンション(都心) 物件価格800万円、家賃8万円、管理費8千円、修繕積立金7千円

 

表面利回り:家賃8万×12か月÷800=12%

 

実質利回り:
 (家賃8万円―(諸経費 管理費8千円―修繕積立金7千円)×12か月÷物件価格800万=9.75%

 

そのため、区分マンションの購入を検討される方は、この数式を確実の当てはめて計算してください。不動産業者から出てくる区分マンションの実質利回りは、上記計算通りのところが多く参考にしても問題ありません。

 

まとめ
・実質利回りは、算出が難しいので使い勝手が悪い
・簡便的な実質利回りは、物件選別の目安として使う
・区分マンションでの簡便的な実質利回りは、投資判断に有効

無料メルマガ登録:大家の味方

メルマガ登録ページへ

物件探しには実質利回りを簡便に使え 関連ページ

不動産屋・不動産コンサルタントにお願いする前に
物件を紹介するコンサルタントに依存しすぎない
不動産投資とは
不動産投資・賃貸経営のメリット
不動産投資・賃貸経営のデメリット
不動産投資は資本を使って利益を上げるトレーニング
賃貸経営の仕組み
不動産投資・賃貸経営の目的
不動産投資・賃貸経営のリスク
不動産投資のリスクをどのようにコントロールするか
不動産投資のレバレッジとは
購入できる収益不動産の額は金融資産次第
賃貸経営を拡大する時は金融資産を減らさない(CCRが重要)
不動産投資のキャッシュフローとは
投資分析:キャッシュフロー
返済比率で借入の安全度を理解する
不動産投資で資金がないと高速リタイアは難しい
不動産投資の種類を理解する
建物の構造を理解する
表面利回り・実質利回りの違いを理解せよ!
減価償却とは
銀行の融資期間は建物の耐用年数次第
用語:不動産投資で良く出てくるROIとは
用語:DSCR(借入償還余裕率)
用語:投資指標のIRRとは
収益物件の探し方:物件情報はどこから収集するか
収益物件の探し方:購入する基準を決める
収益物件の探し方:資金力×購入意思×スピード
収益不動産の探し方:不動産会社は両手取引が大好き
収益不動産の探し方:競売は中〜上級者向き
収益不動産の探し方:任意売却はお宝物件
物件資料の読み方:物件概要について
物件資料の読み方:物件概要を高速で取捨選択する
物件資料の読み方:レントロールを机上で評価する
物件資料の読み方:登記簿謄本の本質を理解する
物件資料の読み方:登記簿謄本を理解する
物件資料の確認:不動産会社へのヒアリング
物件の評価:積算評価・収益評価
現地調査:建物調査・周辺調査
買付申込書
価格交渉
買付から契約・決済までの流れ
契約:売買契約書のポイント
融資が否決されたの際の手続き
資金計画:取得時に必要な資金
資金計画:ランニング費用
資金計画:税前キャッシュフロー
資金計画:利益ベース
資金計画:アパートローンの返済方式について
資金計画:金利・融資期間による返済額
融資:信用情報の確認
融資:銀行にもっていく資料は事前に準備しておく
融資:銀行の担当者から聞かれること
融資:金融機関の種類
融資:日本政策金融公庫の特徴
融資:スルガ銀行の特徴
融資:三井住友銀行の特徴
融資:みずほ銀行の特徴
融資:りそな銀行の特徴
融資:商工中金の特徴
融資:静岡銀行の特徴
信用保証協会とは
不動産投資で信用保証協会をどう使うか
制度融資を使うと効果的
信用保証協会:責任共有制度
信用保証協会:保証料
信用保証協会:審査のポイント