不動産投資・賃貸経営のメリット
現物の不動産投資には、多くのメリットがあります。但し、賃貸経営がうまくいったときだけに受け取れると言える内容でしょう。賃貸経営で大規模に運営に成功している方は、このメリットを十二分に活かしています。このメリットは、デメリットを克服してこそ活かせるものと認識して読んでください。
@収入が安定している
不動産投資は、どのような投資でも、収入の基本は「賃貸料」です。短期的な不動産価格の上下と日々の家賃収入はリンクしないため、安定した収入を得るのに適した投資といえます。この賃貸料が、定期的に入ってくることから、年金の代わりにしたり、生活資金になりえるわけです。
賃貸経営を長く続けていますが、この毎月定期的に入ってくる収入がなければ、サラリーマンを辞めることは難しかったでしょう。1戸だけだと難しいですが、複数戸をもつようになると、空室率も一定の割合となってくるため、収入の安定感が増します。
A値上がりが期待できる
買った時の値段より高く売却できることがあります。不動産投資は、価格が安いときに購入できれば、出口で高値で売れることもあります。インカムゲイン(家賃収入狙い)で購入すると、通常高い利回りを狙って購入する場合が多いので、その時よりも景気が良くなっていたりすると、低い利回りで売却できることは、よくあります。
例)売却時は利回り10%で売れた場合。但し、家賃収入は、購入時から売却時まで変わらない。
・購入時:利回り15% 家賃収入750万 5000万
・売却時:利回り10% 家賃収入750万 7500万
この場合ですと、買った時よりも2500万も高く売れたことになります。収益不動産の世界ではよくあることでインカムゲイン(家賃収入狙い)をしていると、キャピタルゲイン(売却益狙い)も取れてしまった、ということがあります。つまり、2度おいしいため、インカムゲインとキャピタルゲインの両方が使えると賃貸経営は一気に拡大ができるようになります。
また、参考までですが、気を付けなければいけないのは、買ったときより安く売っても利益は出る場合があります。
どういうことかというと、建物は、減価償却といって建物の価値を何年かにわけて経費化していきます。すぐに理解できない場合は、建物は年々価値が下がっていくと覚えておいてください。例えば、1億円の収益物件のうち、土地が5000万、建物が5000万だとすると、10年後には土地が5000万、建物が3000万になります。
・購入時:土地5000万、建物5000万 合計1億
・10年後:土地5000万、建物3000万 合計8000万
そうすると、買ったときから1000万下がって9000万で売却しても、9000万―8000万=1000万は利益がでます。このようなケースも良くありますので、利益の概念を理解しないといけないなということは分かって頂ければと思います。
Bインフレーションに強い
物価が上がっていく状態を「インフレーション(インフレ)」といいます。一般的に、インフレの時は、家賃はインフレに連れて上がっていきますので物件価格は上がります。不動産投資はインフレに強いということになります。
インフレ時には、物価が上がるので、卵1パック100円が200円になったりします。それにつれて不動産の価格も2倍にむけて上昇していきます。現金100円では、卵1パック買えなくなります。価値が半減したのと同じです。
インフレの初期の段階では、家賃はそれほど上がらないため、物価に負けてしまうことがありますが、将来的に見れば、インフレ率に沿っていきます。本当にインフレ対策として購入するならば、東京都心の誰もが欲しいと思われるところに購入するのが一番です。但し、利回りが低いため、インカムゲイン(家賃収入狙い)は難しいでしょう。
また、インフレ対策は、不動産以外の為替、金といった商品の方がよりインフレに強い商品となります。インフレ対策商品はいろいろとありますので、勉強してみてください。
C銀行融資が受けやすい
不動産投資は、銀行から融資が受けやすい、これが賃貸経営を目指す最大のメリットでしょう。不動産投資以外で数千万〜数億まで立上げ期に貸してくれるビジネスはそうはありません。通常の設備や運転資金などでは、1年〜5年程度の融資期間が多く、短い期間で返済しなければなりません。
しかし、不動産投資は、長期で借入れることができ、たとえ不動産価格が値下がりしていたとして、返済が滞っていない限り、融資をストップされたり、一括返済を求められることはありません。
良い投資かは別ですが、新築の区分マンション投資は、2000万くらいの借入が比較的簡単にできてしまいます。新聞や折り込みチラシに新築区分マンション投資が紹介されているのは、高くても銀行融資がつくので売れるのです。
また、新築の区分マンション以外でも1棟アパートや1棟マンションでも融資がつきます。1棟になりますと安くても数千万、高ければ数億まであります。高額の融資がでるのは、不動産自体の評価が高いからです。
融資は、借入ですので借金が怖いと言われますが、どんなビジネスでも借入をします。数億どこらではなく、数千億、1兆円などどいう借入をして大企業はビジネスをしています。ビジネス上収支のあわない借入は怖いという感覚が必要になってくるでしょう。
D仕組みが簡単
不動産投資、賃貸経営は、とても仕組みが簡単です。入居できる器を買って、人に貸すだけです。管理のプロがたくさんいますので、入居できる器と入居した人の管理を他人にすべて丸投げできてしまいます。不動産投資家、賃貸経営のオーナーは、毎月の収支報告を確認するだけでもできてしまいます。
これだけ、仕組みが揃っているビジネスもそうはないでしょう。アフィリエイトなどWebビジネスも簡単のように思われていますが、稼ぐとなるととても大変な作業をしないといけません。それに比べれば、資金さえあれば、賃貸経営は誰でも始めることができます。
D相続税の節税効果
現物の不動産投資は、相続税の節税効果があります。相続税は、故人の財産を評価する場合、現金や上場株式などは亡くなった時の時価で評価します。しかし、不動産の場合は土地は路線価評価、建物は固定資産税評価額で計算し、人に貸している場合はさらに一定額を引くので、評価額を下げることが可能となります。
つまり、相続対策としての現物の不動産投資は、節税が狙いやすいということです。
但し、地方、バス便など不便な場所ですと、時価よりも路線価が高かったりしますので、個別には見ていかないといけません。このあたりは、かなり専門的になっていますので、初めての方は忘れて頂いて構いません。
また、相続対策として初めて賃貸経営をされる方は気を付けてください。相続税の評価を下げようと思ったら、思った以上に損が出てしまうケースを何人も見ています。相続対策として不動産投資を始めても、賃貸経営はビジネスであることを理解してください
まとめ
・不動産投資・賃貸経営は、収入が安定している
・うまくいけば、値上がり益も期待できる
・インフレに強い
・仕組みが簡単
・相続税の節税効果がある
無料メルマガ登録:大家の味方
不動産投資・賃貸経営のメリット 関連ページ
- 不動産屋・不動産コンサルタントにお願いする前に
- 物件を紹介するコンサルタントに依存しすぎない
- 不動産投資とは
- 不動産投資・賃貸経営のデメリット
- 不動産投資は資本を使って利益を上げるトレーニング
- 賃貸経営の仕組み
- 不動産投資・賃貸経営の目的
- 不動産投資・賃貸経営のリスク
- 不動産投資のリスクをどのようにコントロールするか
- 不動産投資のレバレッジとは
- 購入できる収益不動産の額は金融資産次第
- 賃貸経営を拡大する時は金融資産を減らさない(CCRが重要)
- 不動産投資のキャッシュフローとは
- 投資分析:キャッシュフロー
- 返済比率で借入の安全度を理解する
- 不動産投資で資金がないと高速リタイアは難しい
- 不動産投資の種類を理解する
- 建物の構造を理解する
- 表面利回り・実質利回りの違いを理解せよ!
- 物件探しには実質利回りを簡便に使え
- 減価償却とは
- 銀行の融資期間は建物の耐用年数次第
- 用語:不動産投資で良く出てくるROIとは
- 用語:DSCR(借入償還余裕率)
- 用語:投資指標のIRRとは
- 収益物件の探し方:物件情報はどこから収集するか
- 収益物件の探し方:購入する基準を決める
- 収益物件の探し方:資金力×購入意思×スピード
- 収益不動産の探し方:不動産会社は両手取引が大好き
- 収益不動産の探し方:競売は中〜上級者向き
- 収益不動産の探し方:任意売却はお宝物件
- 物件資料の読み方:物件概要について
- 物件資料の読み方:物件概要を高速で取捨選択する
- 物件資料の読み方:レントロールを机上で評価する
- 物件資料の読み方:登記簿謄本の本質を理解する
- 物件資料の読み方:登記簿謄本を理解する
- 物件資料の確認:不動産会社へのヒアリング
- 物件の評価:積算評価・収益評価
- 現地調査:建物調査・周辺調査
- 買付申込書
- 価格交渉
- 買付から契約・決済までの流れ
- 契約:売買契約書のポイント
- 融資が否決されたの際の手続き
- 資金計画:取得時に必要な資金
- 資金計画:ランニング費用
- 資金計画:税前キャッシュフロー
- 資金計画:利益ベース
- 資金計画:アパートローンの返済方式について
- 資金計画:金利・融資期間による返済額
- 融資:信用情報の確認
- 融資:銀行にもっていく資料は事前に準備しておく
- 融資:銀行の担当者から聞かれること
- 融資:金融機関の種類
- 信用保証協会とは
- 不動産投資で信用保証協会をどう使うか
- 制度融資を使うと効果的
- 信用保証協会:責任共有制度
- 信用保証協会:保証料
- 信用保証協会:審査のポイント